新築ビルの目隠し膜設置工事「アパレル企業向け」

東京都杉並区高円寺

今回ご紹介する案件は、東京都杉並区高円寺に位置する新築ビルにおける目隠し膜新設工事です。お客様はアパレル関連企業様で、そのセンスとこだわりが随所に表れるプロジェクトとなりました。機能性はもちろんのこと、意匠性においても非常に高い要求水準があり、設計事務所様も細部にわたって検討を重ね、かなりご苦労されていた様子が伺えました。

画像:新築ビルの目隠し膜設置工事

プロジェクトの経緯

ある日、突然のお電話でお問い合わせをいただいたことがきっかけでした。お客様のニーズを正確に把握するため、まずは打ち合わせの日程を調整させていただきました。

事前に図面や設計資料をお送りいただき、弊社内でも検討を始めました。打ち合わせ当日は、まず現場を実際に確認させていただき、空間の雰囲気や光の入り方、周囲の環境などを細かくチェックした上で、本格的な打ち合わせへと移行しました。

画像:新築ビルの目隠し膜設置工事

お客様の要望

打ち合わせの冒頭で、お客様から明確に提示された条件が2つありました:

  1. 一般的なロープによる固定は意匠性の観点から使用したくない ? 美しい外観を損なわないよう、目立たない固定方法を希望される
  2. できるだけシンプルかつ洗練された仕様にしたい ? 無駄な装飾や複雑な構造を避け、空間の雰囲気に溶け込むデザインを求められる

これらの条件を踏まえ、弊社からは過去の施工実績も交えながら、数パターンの施工方法を具体的に説明させていただきました。また、様々な素材の生地サンプル帳もご覧いただき、触感や透過性、色合いなどを実際に確認していただきました。お客様のイメージを正確に形にできるよう、詳細な図面を後日提示することを約束し、1回目の打ち合わせを終了しました。

画像:新築ビルの目隠し膜設置工事

設計過程

打ち合わせ後、弊社デザインチームは早速作業に取りかかりました。お客様のご要望と現場の条件を最大限に考慮した設計図を作成し、社内でも検討を重ねました。作図、修正、再作図というプロセスを数回繰り返し、細部までこだわった提案を完成させました。その後、施主様に最終確認をいただいたところ、想像以上に良い評価をいただき、晴れて承認を得ることができました。

【設計図面①】
【設計図面②】
【設計図面③】

使用材料と施工方法

材料選定においては、耐久性と美観のバランスを重視しました:

  • 生地:セルジオフェラーリ社製「soltis92」のaluminum/whiteカラーを採用。この生地は適度な透過性があり、内側からの視界を確保しながらも外部からの視線をしっかりと遮る特性を持っています。
  • 固定方法:ロープを使わない条件を満たすため、エッジ部分にケダー加工を施し、Cテンバーを使用してテンションを均一にかける工法を採用しました。
  • 当初はA種膜での高いテンション方式も検討しましたが、最終的にはsoltis92の独特な風合いと質感が施主様の強い支持を得たことから、現在の仕様に決定しました。
画像:新築ビルの目隠し膜設置工事

施工の実際

施工日は天候にも恵まれ、予定通りのスケジュールで作業を進めることができました。手すりの外側に目隠し膜を設置する際は、寸法の微調整や位置の正確な調整に特に注意を払いました。テンションを均一にかけることで、シワのない美しい仕上がりを実現し、建物全体の美観を高めることができました。

画像:新築ビルの目隠し膜設置工事

成果と評価

完成した目隠し膜は、単に機能性を果たすだけでなく、建物に新たな表情を与える要素となりました。特に階段部分については、部分的に設置したことで光と影の変化が生まれ、空間に奥行きと立体感をもたらしました。設計デザイナー様と施主様からは「想像以上の仕上がり」との高い評価をいただき、引き渡し後にはわざわざお礼のお電話をいただくほどでした。このような直接的な感謝の言葉をいただけることは、私たちにとって何よりの喜びです。

画像:新築ビルの目隠し膜設置工事

まとめと今後の展望

この施工方法自体は弊社も過去に何度か手掛けた経験がありましたが、ここまで意匠性と細部にこだわったプロジェクトは初めての挑戦でした。今回の経験を通じて得た知見は、今後の類似案件にも必ず活かせるものと確信しています。

何よりもお客様に心から喜んでいただける仕事ができたことが、弊社スタッフ一同にとっても大きな励みとなりました。これからも技術力と創造性を磨き、お客様のご期待を超える提案と施工を目指してまいります。

このたびは貴重なお仕事をご依頼いただき、誠にありがとうございました。今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

【ビフォーアフター】